【取引先や消費者から不当要求を受けた場合の対処方法】

取引先や消費者クレーマーからの要求は、必ずしも適切なものとはかぎりません。

取引先や一般消費者から企業に対し、不当な要求をされるケースもよくあります。

クレームを放置していると、企業にとって多大なリスク要因となるので注意しましょう。

今回は取引先や消費者から不当要求を受けた場合の対処方法をお伝えしますので、BtoCビジネスを行っている企業ではぜひ参考にしてみてください。

消費者からの不当要求を放置するリスク

企業が取引先や消費者からの不当要求を放置していると、以下のようなリスクが発生します。

誤ったレピュテーション、広報リスク

クレームを放置していると、たとえ個人であってもレピュテーションリスクが発生する可能性があります。
今の世の中では、TwitterなどのSNSを介して個人の発信力が増大しているためです。
間違った情報であっても一度注目されると瞬く間に拡散され、炎上してしまうケースが少なくありません。

消費者から反感を持たれると、商品やサービスが売れにくくなってしまうでしょう。
上場企業の場合には、株価が大きく下がってしまう可能性もあります。従業員のモチベーション低下、離職リスク

顧客からの不当要求は、自社従業員に対しても影響を及ぼします。
自社の商品やサービスの評判が悪化すると、多くの従業員は不満や不安を抱くので、結果として日々の業務に対するモチベーションを低下させてしまうでしょう。
クレーム担当社員の精神状態が悪化して、うつ状態になるケースも珍しくありません。

あまりにひどい場合には離職者も発生するリスクも発生します。

訴訟等への発展リスク

取引先や消費者からの苦情を放置していると、訴訟を起こされるリスクも発生します。
訴訟を提起されたら放置するわけにはいきません。集団で訴訟を起こされるケースも多く、時間も労力も費用もかかってしまうでしょう。

たとえ相手の言い分が不当でも、訴訟を起こすのは基本的に自由です。
訴訟トラブルに発展する前に、できるだけ早めに不当要求へ対応しましょう。

消費者クレーマーへの対処方法

具体的に消費者クレーマーに対してどのような対処をとれば良いのか、お伝えします。

マニュアルを作成する

クレームに対応するには、「均一的な対応」を意識すべきです。
受け付けた人によって対応が異なるようでは混乱が生じ、よけいに相手をヒートアップさせてしまうリスクが高いためです。
事前にマニュアルを作成しておけば、担当者側としてもどのように対応したら良いのかわかりやすいでしょう。
BtoC企業にとって、クレーム対策のマニュアル作りは必須といえます。

専門部署、責任者の養成

次に、クレーム対応についての専門部署を置くようおすすめします。
クレーム対応には特殊なスキルが要るので、一般従業員がばらばらに対応するのは困難だからです。
クレーム対応に関する担当者を育成し、責任者をおきましょう。

公明正大な毅然とした対応

要求が不当であれば、企業側が安易に折れるべきではありません。
たとえば、高額すぎる賠償金を求められた場合、文書の差し入れを要求された場合などです。
一度応じると相手の要求がエスカレートしていくケースが多いので、初期段階における対応が重要です。

迅速な対応

クレーム対策では、迅速な対応が肝要です。
特に重要なのが初動で、当初の段階できちんと対応して相手に諦めさせることができれば、それ以上、火種を大きくさせずに済むでしょう。
相手としても、コミュニケーションを円滑にとれれば不満やストレスも溜まりにくく、トラブルが小さいうちに退きやすくなるものです。
放置して大きな問題に発展してから対応するのではなく、早め早めに対処していきましょう。

弁護士へ依頼するメリット

クレーム対策、対応を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

窓口を専門家へ一任できる

法務部を持たない一般的な中小企業の場合、自社のみでクレームに対応するのは簡単ではありません。
相手とは電話や書面で頻繁にやり取りしなければなりませんし、専門部署を置くのが難しい企業もあるでしょう。
そんなとき、弁護士に依頼すると自社で対応する必要がなくなります。
クレーム対応の窓口が一本化されるので、相手としても連絡をとりやすくなるでしょう。

弁護士が専門家としての立場から相手を説得し、不当要求を取り下げさせられるケースもよくあります。

企業の事情を踏まえた対応

日頃から顧問弁護士などとしてやり取りしている弁護士であれば、より適切な対処が可能です。
顧問弁護士であれば通常、顧問企業の業種や業態、社風などを理解していて事情をふまえた対応ができます。

クレーム対応を全面的に任せられて、企業の事情を踏まえた対応をしてくれるのは大きなメリットといえるでしょう。

本来の業務に専念できる

クレーム対応の専門部署を持たない企業が自社のみでクレーム対応を進めようとすると、経営者や他の業務を行っている従業員が対応するしかありません。

しかしそのようなことをすると、本来の業務がおざなりになって企業の運営や営業に悪影響が及んでしまいます。
弁護士に任せれば、経営者や従業員、役員などは本来の業務に専念できるメリットもあります。

リスクを最小限度に抑えられる

不当要求を受けると、レピュテーションリスクを始めとした多数のリスクが発生します。解決までの期間が長くなればなるほど危険は大きくなってしまうでしょう。
弁護士に対応を依頼すると、速やかに対応してくれて早期にトラブルを解決してもらえます。クレーマーとしても、弁護士が出てきたら不当要求をあきらめて退いていく可能性が高いでしょう。
弁護士に依頼すると、不当要求に端を発するリスクを最小限度に抑えられるメリットがあります。

クレーム対策を依頼する弁護士の選び方

企業法務に積極的に取り組んでいる

クレーム対応は企業法務の範疇です。
個人のクライアントをメインにしている弁護士や、離婚事件などを専門にしている弁護士では、クレーム対応を得意としないケースも多々あります。
企業法務やクレーマー対策に積極的に取り組んでいる弁護士を選びましょう。
弁護士の注力分野については、事務所のホームページの記載内容や実績などから確認できます。

フットワークが軽い

企業法務の中でも、クレーム対応ではフットワークの軽さを求められます。

これが一番大切なポイントかもしれません。
不当要求をされているのに弁護士と連絡をとりにくかったり「着手が1週間後」などといわれてしまったりしたら、その間にレピュテーションリスクが現実化してしまう可能性もあるでしょう。
できる限りすぐにコミュニケーションをとれて、初動の早いフットワークの軽い弁護士を選びましょう。

クレーム相手の対応が得意

企業法務の中でもさまざまな分野があります。
BtoC企業、BtoB企業、官公庁を取引相手とする企業、国や地方自治体の顧問、M&A対策や上場の支援など、弁護士にはさまざまな得意分野があるケースが多数です。
クレーム対応には専門的なスキルやノウハウが必要なので、クレーム相手の対応を得意とする、経験豊富な弁護士を選びましょう。

企業の実情を踏まえた対応をしてくれる

弁護士を選ぶとき、会社の実情や内部事情を把握してもらうことが極めて重要です。
消費者との交渉を行うのに会社の都合を軽視されたら、不利益が及ぶ可能性があるのは想像に難くありません。

日頃から密に連絡を取り合うことができて、自社の事情を理解しており信頼して任せられる弁護士を選びましょう。

 

当事務所では企業法務や消費者による不当要求に力を入れて取り組んでいます。
消費者対応にお困りの経営者さま、ご担当者さまはお気軽にご相談ください。